日本銀行は20日の金融政策決定会合で、政策金利を維持することを決めた。日銀総裁の植田和男氏は追加の利上げに意欲を示す一方で、「直ちに見通しの確度が高まった、従ってすぐ利上げだということにはならないと考えている」とも発言。時期については言質を与えず、慎重な発言に終始した。
植田氏の姿勢は、前回7月の決定会合後の会見とは対照的だった。このとき、日銀は市場の大方の予想に反して追加利上げを決め、植田氏は会見で、さらなる利上げにも前向きな姿勢を表明した。だがその後、米国の景気後退懸念も高まって金融市場が混乱。8月初旬の講演で内田真一副総裁が「市場が不安定な状況で利上げはしない」と火消しする事態となった。
このため、今回の会見では、日銀の市場に対する情報発信について質問が相次いだ。植田氏は「7月会合後の市場の乱高下の一因として、私どもの考え方が十分伝わっていなかったのではとの批判は承知している」と説明。今後、経済と物価の見通しの確度が高まった場合、「情報発信をもう少し丁寧に、少し頻繁にできれば」と話した。
ただ会見後、外国為替市場で…
